2015年に国連サミットで「持続可能な開発目標」が採択され、近年日本でも企業、自治体、NPOなどの各種団体および個人それぞれの立場で、SDGsの達成に向けての取組みが加速しています。
こうしたなか、独立行政法人中小企業基盤整備機構は、中小企業における取組状況や意識を把握するアンケート調査を実施し、3月1日、結果を公表しました。
調査は令和4年1月に、中小企業等2,000社に対して行われたものです。
〔結果の概要〕
1.SDGsの認知度及び理解度
SDGsの認知度については、認知しているとするもの(「よく知っている」「ある程度知っている」「詳しく知らないが聞いたことはある」)が86.0%と高い割合を占めた。一方、SDGs に対する理解度については、理解しているとするもの(「十分理解している」「やや理解している」)は、38.8%にとどまった。
2.SDGs の取組状況
SDGs の取組状況については、「現在すでに取り組んでいる」「現在は取り組んでいないが、今後取り組んでいく予定」を合わせた割合は 30.6%となった。一方、「現在は取り組んでおらず、今後も取り組んでいくか否かは未定である」が 40.7%と最も多くなった。
3.自社において貢献しようしている目標(ゴール)
SDGs の17のゴールのうち、自社において貢献しようとしているものを見ると、「つくる責任つかう責任」(41.9%)、「働きがいも経済成長も」(40.1%)などが比較的高い割合を示した。一方、「飢餓をゼロに」「パートナーシップで目標を達成しよう」「質の高い教育をみんなに」などが20%未満となった。自社の事業活動や現在行っている社会活動の延長線上にあるものは貢献しやすく、馴染みのないゴールほど低くなる傾向がみられる。
(1)貧困をなくそう・・・・・・・・・・・・・・・・・20.6%
(2)飢餓をゼロに・・・・・・・・・・・・・・・・・・15.8%
(3)すべての人に健康と福祉を・・・・・・・・・・・・37.2%
(4)質の高い教育をみんなに・・・・・・・・・・・・・19.4%
(5)ジェンダー平等を実現しよう・・・・・・・・・・・25.0%
(6)安全なトイレと水を世界中に・・・・・・・・・・・20.6%
(7)エネルギーをみんなに。そしてクリーンに・・・・・36.4%
(8)働きがいも経済成長も・・・・・・・・・・・・・・40.1%
(9)産業と技術革新の基盤をつくろう・・・・・・・・・22.8%
(10)人や国の不平等をなくそう・・・・・・・・・・・・22.8%
(11)住み続けられるまちづくりを・・・・・・・・・・・31.2%
(12)つくる責任、つかう責任・・・・・・・・・・・・・41.9%
(13)気候変動に具体的な対策を・・・・・・・・・・・・27.1%
(14)海の豊かさを守ろう・・・・・・・・・・・・・・・28.9%
(15)陸の豊かさも守ろう・・・・・・・・・・・・・・・24.1%
(16)平和と公正をすべての人に・・・・・・・・・・・・23.5%
(17)パートナーシップで目標を達成しよう・・・・・・・17.0%
4.SDGs 導入に関する意義や目的
SDGs を経営に取り入れる目的や意義については、「企業の社会的責任」が 50.4%で最も高
く、次いで「企業イメージの向上」(29.7%)、「従業員のモチベーションの向上」(27.6%)などが続いている。
5.SDGs の取組みに向けた課題
SDGs の取組みに向けた課題は、「何から取り組めばよいのかわからない」が 21.0%と最も
多く、次いで「取り組むことによるメリットがわからない」(19.3%)、「SDGs に取り組む方法に関する情報が少ない」(16.4%)、「目標の設定方法がわからない」(15.7%)などが続いている。