厚生労働省は、12月7日、第1回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」を開催しました。
精神障害の労災認定については、2011年の現行認定基準の策定後も業務による心理的負荷が関係する労災請求が増加している状況にありますので、同検討会で認定基準を検証し、迅速・適切な評価等を行うことを目指しています。
ここでは、同検討会に示された資料に基づいて、最近の精神障害の労災認定の状況を見ておくこととします。
1.請求件数
労災の「請求件数」は、2020年は2,051件で、10年前の2010年(1,181件)に比べると、73.7%の増加となっています。
2.決定件数
審査が決定した「決定件数」は、2020年は1,906件で、10年前の2010年(1,061件)に比べると、79.6%の増加となっています。
3.支給決定件数
決定件数のうち、労災と認定され、給付金の支給が決定した「支給決定件数」は、2020年は608件で、10年前の2010年(308件)に比べると、97.4%の増加となっています。認定率では、2020年は31.9%(2010年は29.0%)となります。
4.業種別支給決定件数
上位の3位までを示すと次のとおりです。
-1位:医療・福祉(148件)
-2位:製造業(100件)
-3位:卸売・小売業(63件)
-3位:運輸業・郵便業(63件)
5.職種別支給決定件数
上位の3位までを示すと次のとおりです。
-1位:専門的・技術的職業従事者(173件)
-2位:サービス職業従事者(91件)
-3位:事務従事者(83件)
6.出来事別支給決定件数
上位の5位までを示すと次のとおりです。
-1位:上司等から、パワーハラスメントを受けた(99件)
-2位:悲惨な事故や災害の体験、目撃をした(83件)
-3位:同僚等から、暴行・いじめ・嫌がらせを受けた(71件)
-4位:仕事内容・仕事量の変化を生じさせる出来事があった(58件)
-5位:病気やけがをした(50件)